千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21)野村進 ¥ 740 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
千年、働いてきました―老舗... | |
| 購入にあたってこちらのレビューを参考にさせていただきましたが、実に良い本です。 プロジェクトXやがっちりマンデーのような番組が好きな方におすすめします。 日常的に触れるモノが老舗の技術で支えられていたり、時代と共に意外な変遷があったりと、 実用的ビジネス教本ではなく、老舗企業の知られざる逸話集といった印象です。 専門的で難解な用語はほとんどなく、身構えることなくすっきり読めます。ビジョナリー・カンパニーでは「業態は変わってもビジョンが変わらなければ産業の構造変化にも会社は耐えうる」といった視点だったように記憶している。 本書では、結果論的ではあるが結局持ちこたえてきた、小さなシーズから変化することに成功した老舗企業の姿勢に共通する部分を垣間見ることができる。 削る文化とは? 重ねる文化とは? 結局ITで「何をどう便利にしたいのか?」よくみえないニーズが、こういった書籍に散らばるキーワードから見えてくる。 ネムリユスリカ。 基本に忠実。ただし考え方は七変化。 vision【名詞】先見、先見の明、洞察力、想像力、考え方「○○だけをつくり続けて○百年」という老舗ではなく、創業... | ||
コリアン世界の旅 (講談社プラスアルファ文庫)野村進 ¥ 924 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
コリアン世界の旅 (講談社... | |
| 「大宅壮一ノンフィクション賞」「講談社ノンフィクション賞」ダブル受賞作品と聞いて期待して読んだため「ガッカリ」しました。 野村氏の「独断」と「偏見」が多く読みにくいです。 たとえば「ロス暴動」で朝鮮系商店が襲われたのは日本の「殖民地支配」が原因という記述。「良い」ことも「悪い」ことも日本が原因というなら理解できますが「悪い」ときだけ日本を持ち出しても説得力はないでしょう。 日本は「朝鮮戦争」や「ベトナム戦争」で「血」を流さずに法外な利潤を得たという記述。「朝鮮戦争」が起こった時、日本は連合国軍に占領されており、「ベトナム戦争」にしても「憲法」の制約があり「血」を流したくとも流せなかったのではないでしょうか。(「朝鮮戦争」では日本人も掃海作業で死傷者を出しており、まったく「血」を流していないわけではないと思います) 「差別」と「区別」を混同するような記述もあり、全体的に「いいかげん」な本という印象をうけました。 96年当時は「タブー」を描いた「衝撃的」な本だったのだと思いますが、そのぶん現在の視点で見れば「アラ」の目立つ本だと思います。本書が出版されてからもうすぐ10年とは早い... | ||
ピアニストという蛮族がいる (文春文庫)中村紘子 ¥ 540¥ 198 ★★★★★ |
ピアニストという蛮族がいる... | |
| 日々努力を続けるピアニストたちの、面白おかしくどこかずれてしまってる側面と素顔を、 エスプリの効いた見事な文章でつづって楽しませてくれる。そして日本における西洋音楽 導入期に活躍した人々にまつわる話などは、歴史としても文化論としても人物伝としても、 考えさせられると同時に胸が痛くなった。 音楽を聴くのは素晴らしい趣味だが、音楽に関する質のよい書きものを読むのも、この上 ない楽しみだ。こういうすごい人がいるんだなぁ。中村紘子さん素敵すぎる。本の中で 「ゆめピアニストなぞ嫁にするものではない」などと書いているが、婿にもらってほしい くらいだ。めっちゃ面白いです。スリリングなピアニストの伝記映画の詰め合わせのような本で、超おすすめです。とくに、パデレフスキーのところ(「鍵盤のパトリオット」)は、超おすすめです。読むと元気が出ます。人生で夢を失いそうになっている人は、是非、この本のパデレフスキーのところを読んでください。 音楽家、その中でも主に「ピアニスト」という種族について、中村紘子さんが自らの体験を交えながら語るエッセイ。過去から現在にわたる古今東西のピアニストや音楽家について、彼ら(... | ||
救急精神病棟野村進 ¥ 1,785 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
救急精神病棟 | |
| 私は、臨床心理学を専攻し学んでいますが、「ゆくゆくは医療系に進むぞ」と(自分ではよく考えたつもりで)考えていました。精神疾患の大変さ、またはそれに関わることの大変さも、この本を読むまでは「分かっているつもり」になっていたんだと恥ずかしく思いました。多くの方が「こんな世界があるとは知らなかった」とレビューで書かれているように、私たちには知る由もなかった世界がこの本の中にはあります。あまりに臨場感あふれるその世界に、初学者の私は研修医に自分を重ね、「自分ならこの時どう対応するだろう、どう感じるだろう」など、真剣に一人事例検討会を繰り広げました。心理の学生はなかなか現場を見る機会がありません。この本はそんな私たちの経験不足の一助になってくれるのではないかと思います。また、精神病の歴史や精神保健福祉法などの法律についての説明があり、臨床心理士試験において、下手な参考書を読むよりも、ずっと理解できて頭に入りやすいこと必至です。また、登場人物である先輩医師達の重みのある言葉は、臨床家として深く考えさせられるものでした。臨床心理を学ぶ方々、特に経験の浅い初学者の方に是非読んでいただきたい一冊です。... | ||
この社会の歪みについて―自閉する青年、疲弊する大人野田正彰 ¥ 1,260 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
この社会の歪みについて―自... | |
| 野田正彰さんという方を知りませんでした。余り難しい議論も得意ではありません。でも社会はヒステリックになっているような気がするし、正直自分も毎日どうしてこんなに疲れて不安なんだろうと感じています。なんとなく手にした本ですが、私にも分かるような平明な文章でありながら、深く引き込まれる内容でした。通勤の途上で夢中になり、つい乗り過ごしてしまいそうなったほどです。何度でも読み返してみたい本です。出会ってよかった!この本の長所 現代社会のおかしさがサラッと書かれているところ。120ページぐらいでこれだけ現在の問題点が過不足なく書かれていることは評価できよう。 この本の短所 著者のきらいなものに対する危機感をあおっているところ。フリーター、ニート、携帯電話、意見を言わないことなど、著者が好ましくないと思っていることは結構厳しく書かれている。これでは、著者が批判しているはずの「危機感を煽っている」(p95)ことと同じであり、著者が批判しているはずの「日本の政治家とか権力者」とやっていることは同じである。 結論―著書星5つ。短所星3つ。中間を取って星4つ。 内容はさすがに野田正彰、という感じ。「日本... | ||
見得切り政治のあとに野田正彰 ¥ 2,730 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
見得切り政治のあとに | |
| これまでのコラム集「背後にある思考」、「なぜ怒らないのか」に続き、 信濃毎日新聞に掲載された野田氏のコラム集です。 例えば、本書のタイトルにもなっている政治については、舞伎役者のように 「見得」を切ることにのみ長けた首相や知事などが、私達の生活を変えてしまったが、 例えば、医療制度改革の基本方針には「安心・信頼の医療の確保と予防の重視」 とあるが、何故「医療費抑制と患者自己負担をめざして」と敏感に感じ取らないのか、 と私達に問いかけます。 つまりは、安全は政府行政が目標としてもよいが、安心は上から保証されたり 要求されたりするものではないのだと私達は知るべきではないのか、そこを鋭く 私達に突きつけてきます。 あとがきにもあるように、「その地、その問題に身をおき、あるいはそこに生きて いるとして考え、誤っていたとき、はっきりと誤っていたと自覚できるような文章を」 書くように心がけたというそのコラムは、実際にその場所を訪れて相手と対峙して 著されているものが多く、私達が今どんなことが世の中で起きていて、何が大切な ポイントかを考える際の総合的な思考を養う糧となると思います。 特に教... | ||
喪の途上にて―大事故遺族の悲哀の研究野田正彰 ¥ 3,360 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
喪の途上にて―大事故遺族の... | |
| いかがわしいユング派の御託とか、スピリチュアル寸前の精神分析などはどうでも良い。 本書に手柄があるとすれば、個として生きる人間が、それでもまわりにかけがえのない他者をもち、その喪失に遭遇して、世界も理念も哲学も全て失いそうになりながら、「しかし」と踏みとどまろうとする儚さ健気さを描けているからである。 もう15年も前の本だが、ここまで悲惨や慟哭と戦いながら、それでも思考停止しない書物は現今皆無なのであり、死や病いやをネタに、涙腺だけで勝負する本が多すぎるという深い溜息をついてしまう。途上という思考=プロセスの喪失こそ、現代の一典型的光景か。家族や愛する人を全く突然にこの世から奪い去っていく事故。誰しも自分にふりかかるとは思っていない惨事にいざ遭遇した時に、ひとはどのようにふるまい、どのように考え、どのように変化し、どのようにそれを受け入れていくのだろうか。精神医である著者が時間をかけて遺族に接する過程から生み出されたこの記録には、いまだ書かれたことのない人間の真実があります。胸がつまり、時に息苦しくなるほどの切迫感を持った数々の惜別のさまが遺族の日記や聞き取りから溢れてきます。専門用... | ||
マレーの虎ハリマオ伝説 (文春文庫)中野不二男 ¥ 459¥ 1¥ 980 ★★★★ |
マレーの虎ハリマオ伝説 (... | |
| 現在、中野不二男氏は科学技術ライターとして、最先端の科学技術をわかり易く解説する日本では貴重な存在である。その科学技術に取り組む姿勢は、著者の初期の作品にも色濃く映し出されている。私個人としては本書よりも、無名の日本人捕虜の心理状態を再現した前作「カウラの突撃ラッパ−零戦パイロットはなぜ死んだか−」の方が好きではあるが、一般に有名で広く伝説として(あるいはテレビ番組として)知られているハリマオの意外な真実を記した本ルポも、魅力的な題材である。中野氏のマレーシア、福岡での取材活動にも眼を見張るものがある。最近なかなかお目にかかれない行動力+洞察力である。ルポライター養成の教科書としても使用できるのではないだろうか。 怪傑ハリマオのモデルにもなった日本人の物語。東南アジアに関心のある人ならば一度は耳にしたことのあるこの名前は実在の人物だった。 彼は子供の頃に家族と一緒にマレーシアに渡り、しばらくは平穏な暮らしが続く。ところが、シナ事変をきっかけに在マレーシア華人が過激な反日運動を展開、ハリマオの妹を殺害する。ハリマオはこの仕返しに、マレー人と徒党を組み、中国人をターゲットに金品強奪を繰り... | ||
なんで英語やるの (文春文庫 な 3-1)中津燎子 ¥ 540¥ 450 ★★★★★ |
なんで英語やるの (文春文... | |
| 「なんで英語やるの?」というタイトルの書物は、えてして「英語教育無用論」を展開するかのような期待感を読者に与えるかのようであるが、本書は決してそうではなく、むしろ、英語それも国際英語必要論を説く。 この文庫本は1978年に出ているから、今から30年前のものである。しかし、内容は決して古くなく、今でも読まれてしかるべき内容と薀蓄に富んでいるが、残念な事に、増刷はなく古書店かネット上のオークションでしか手に入らないようだ。 出版当時、本書は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、結構話題になり、中津先生本人も大阪で英語塾を開校するなど、なかなかの著名人であった。 偶然、拙宅の書庫からこの文庫本が出てきたので、ネットでいろいろなことを検索してみると、昨今、中津先生の主宰するネット英語塾のようなものが開設されているようだ。 基本はこの本に書かれているが、今やネット上のお勉強でより効率的に中津英語学習論を実践できる時代になったことを考えると、あえて古書店巡りをする必要もないか。この本を読んだのは、まだアメリカ留学目指して働いているときでした。英語を目指す目的といえば、ぺらぺ... | ||
鳥居龍蔵伝―アジアを走破した人類学者 (岩波現代文庫)中薗英助 ¥ 1,365 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
鳥居龍蔵伝―アジアを走破し... | |
| 徳島県出身の人類学者、鳥居龍蔵博士の評伝。 筆者は、戦中の北京在の経験を生かし、鳥居博士の海外調査(特に、 現在の内蒙古、満洲)を通じリベラリスト鳥居を活写する。 ただ、惜しむらくは、鳥居博士の調査が膨大多岐にわたることからであ ろうが、数次に及ぶ調査のそれぞれの学問的位置づけの分析に弱い。ま た、考古学者の人名等些細な記述漏れも目に付く。 しかし、筆者の鳥居博士とその家族へのまなざしは、鳥居博士の戦中戦 後の行動の清廉さとあいまって、とても暖かく感じられ、読後感は心地 よく、空前にして絶後の学者を知る好著。 | ||
なぜ怒らないのか野田正彰 ¥ 2,520 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
なぜ怒らないのか | |
| 前作の「背後にある思考」に続き、新聞に掲載されたコラム集です。ただし、 単なる掲載のノルマに押されたコラムとは異なり、時事の話題を中心に教育と 医療、全体主義、グローバルな視点からの日本の位置づけなどに関しては 広い視点から非常に深い洞察がされていて、読み応えが十分にあります。 特にこれらのコラムで学ぶべきは新聞などマスコミの報道(情報)を鵜呑みに せず、一旦自分の中にためて即断しない姿勢だと思います。前作の表題でも ある情報の発信者側の背後にある思考を十分に推測して、何故この タイミングでこの情報はどのような意図で発信されているのか、を問い 続けることが私たちには求められていると思います。 溢れ続ける情報の海の中を、即答が求められる世の中で私たちは立ち止まるべき 情報については十分に考察した後に判断するために、そうでないものを かぎ分ける能力についても備える必要に迫られているのかもしれません。 | ||
アジア定住―11ヵ国18人の日本人野村進 井上和博 ¥ 1,575 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
アジア定住―11ヵ国18人... | |
| 旅人ではなく、住人としてアジアの国々に定着した人々を追ったルポルタージュである。 アジアに定住した理由は人それぞれである。海外派遣、結婚、活躍の場を求めて・・・それぞれ多様な背景を持った人々がちょっとしたきっかけでアジアに定住することになった。日本を離れ、アジアに定住するからと行って彼らが特殊な人生を日本で送ってきたというわけでもない。ほとんどが「普通」の日本人たちである。そうであるからかもしれないが、アジアで生活することへの特別な気負いは見られない。過剰に日本人であるという意識を持っている様子も見られず、自然に現地に生活しているという印象である(そうでなければ長く生活できないともいえようが)。 ただ、皆が日本人であるということがアイデンティティーとして重要な位置を占めているということは興味深いことである。 カルチャーショックもなくアジアになじめた人も、日本にいる時は日本人であことを意識したこともなかった人も、アジアで生活するうちに周囲と自己の同一性や異質性を体験するうちに、日本人である自己について意識せざるを得なくなったのである。日本人であると言うこと自体が世界的に見れば既に「... | ||
チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く現代 (中公文庫)中村紘子 ¥ 720 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
チャイコフスキー・コンクー... | |
| ピアニスト業界にも及んでいる大衆化の悲喜劇を伝える一種の現代文明論的エッセイ。コンクールの審査員でもある筆者ならではの、きわどいエピソードも豊富で、コンクールの内幕を知るにも格好の一冊。チャイコフスキー・コンクールはピアノ部門だけでなく弦楽器や声楽部門もあるが、この本はピアノ部門に特化していることに注意が必要である。(作者がピアニストなので当然であるが)それにしても、これが初の著作とは思えないほどの情報量と文章の質に驚く。特に旧ソ連が絡んだ描写は、筆者でなければ体験できなかったであろうことが満載であり、あの時代のロシア音楽事情を知りたい人は読だと思う。文体は非常に堅く、文学評論を読んでいるような気分になる。その後に出版された軽いタッチのエッセイ集とは別人のようにも思える。旦那様(作家の庄司薫氏)や編集者のアドバイスもあったと思うが、もう少し親しみやすい語り口でも良かったのではないか。しかし、ピアノ音楽について書かれた本として文句なく超一流である。時に辛らつな表現もあるが、すべてはピアノと音楽への愛ゆえなのだということが、しっかりと伝わってくる。ご本人の演奏に関しては様々な問題があり、... | ||
「麻原死刑」でOKか?野田正彰 ¥ 1,260 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
「麻原死刑」でOKか? | |
| 飽きっぽい私がたった一日で読めた程、内容的にはスリリング。かといって単純な死刑反対論ではない。弁護側の精神鑑定書を出した野田正彰氏の巻末の講演記録だけには「死刑廃止論」の論調が見て取れるが、全体としては日本の司法・検察批判である。良い点は発言者の野田、大谷、宮台、宮崎、森の各氏のスタンスが少しずつ違っている点だ。勿論一番熱がこもっているのは直接裁判に関わっている野田氏。特に巻末の「西山鑑定に対する意見書」での筆致の激しさは驚くほど。ただ批判されている当の西山鑑定書が一部しか掲載されていないせいで、論争の客観的な判定は望めない。 かくも問題点が多い麻原裁判の進行についてはマスメディアがもっと注目して報道をすべきではないだろうか。きっと国民も注目する筈。 本書タイトルはもちろん反語的な問いかけで、「なワケないよね」という含意。で、その主張の根拠として挙げられている点を、ザッと思い出せるままに書き出すと、次のようになるだろうか。 1.裁判官が「松本被告に訴訟能力あり」の結論を出すに際して、違法性を疑われる行為があった。 2.現在の松本被告には訴訟能力がない可能性が高い。 3.裁判は「松... | ||
背後にある思考野田正彰 ¥ 2,730 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
背後にある思考 | |
| 別著『なぜ怒らないのか』及び『見得切り治のあとに』に先立つ著者の新聞(信毎)コラム第一集。著者のそして日本人の畢生の課題であると思われる戦争問題や教育問題をはじめとして、おそらくは関係者への無数の聞き取りを経た上での論考が多いだけに、裏づけのある論旨の展開には蒙を啓かれる思いがする。全体の構成としては、これらの問題を扱ったコラムの間に、多くの自然や旅行に触れて筆者自身が都度人間性を回復してゆく姿を描いた数多くのコラムが挟まれているが、これは無数の「生の事実」に触れ、自らもその現実の重さを真摯に受け止めたが故のある種の精神の抑圧(ストレス)に対するバランサーとしての営為なのであろう。特に印象に残った記事は、『原爆の子』の編者である長田新の一面にふれた一篇(70頁)やベトナム戦争時の韓国軍によるベトナム人虐殺(104頁)や「さぼり」の思想(223頁)、ワタリガラスとの邂逅(236頁)を記した各篇など。今後も本シリーズは、長く読者が時代状況に対する自らの批判的精神そして想像力を涵養するための「精神の砥石」となるに違いない。「背後にある思考」という書名から想像し、何か私達に新しい観点を 提供... | ||
ツァイス 激動の100年アーミンヘルマン ¥ 1,835¥ 799 ★★★★★ |
ツァイス 激動の100年 | |
| カールツァイス財団といえば、T*のカメラレンズなどでおなじみだが、その光学製品群は先駆的で、信頼性もずばぬけている。その信頼される民間企業の一日にしてはならずの歩みには、本書をよんではじめて真実ちかくまでを知り得た。創業者のアッベ、ツァイス、ショットらによる崇高な考え方や頭脳が、幾多の苦難を越える鍵となっている。アッベのテーマには、科学の探求と、それらを産業に適用することだっようであるが、結果的に科学技術の躍進と、その恩恵が世に広まってゆく。それらの事実は読むものにいまなお教示することもあろう。「見える」ことを可能にしてきた人間の生きざまを知ることができる。記20080611 | ||
インターフェロン 第五の奇跡―長野・岸田両博士と林原生物化学研究所の挑戦 (人間発掘)中野不二男 ¥ 1,427¥ 1¥ 80 |
インターフェロン 第五の奇... | |
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日本領サイパン島の一万日野村進 ¥ 2,100 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
日本領サイパン島の一万日 | |
| サイパンといえば、かつては玉砕の島といった印象がつよく、軽々に訪ねたり、語ったりしてはいけないものと、高校時代までの私は考えていました。 そしてそれは当時の多くの日本人の気持ちだったとも思います。 ところが70年代の後半からグァムに続いて、日本の手近な観光地としての開発が進むにつれ、お気楽なレジャー的話題ばかりが流通されるようになったような気がします。 もちろん日本人にとってのですが、サイパンの明るい側面も、悲惨な側面も、この本には描かれています。 悲惨な面では、とくに第9章の戦争の描写が圧巻。 軍拡を主張される方々には、ぜひ、この本を読んでいただいた後で、ご自説を再検証していただきたいと感じました。 沖縄からの移民に加え、山形からの移民が多かったというのも、この本で初めて知りました。 とくに山形の方は、ぜひ、ご一読を。 久々に大きく深い感動を覚えたノンフィクションの大傑作です。 サイパン島に関する本と言えばこれまで戦争の悲惨さに関するものばかりであったが、この本は島の発展から喪失までを描き切った見事な傑作である。民間人の30年間の島の生活がよくわかる。よくここまで調べて書き上げ... | ||
再びなんで英語やるの? (文春文庫 (195‐2))中津燎子 ¥ 428¥ 630 |
再びなんで英語やるの? (... | |
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英語と運命―つきあい続けて日が暮れて中津燎子 ¥ 1,995 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
英語と運命―つきあい続けて... | |
| 一昔前に、英語教育大論争という論戦があった。 みずからをヒグマ モンスターと称してしまう中津燎子さんが論者のおひとり。 一方の論者であった平泉渉代議士の忠告の事実と真実と、さらにその根っこにある何かまで感じとって、 さらに食いついていってしまうところが、まさにヒグマ。 各国の文化の読みも、ものすごく体感的でリアル。食うか食われるかの軸にぶれがない。 英語の学習、発音、楽しみ方まで、おそらくありとあらゆる事例を飲み込んで、 こなしてきたスーパーレデイ。素敵なおばさまです。 これからのインターネット英語時代に、英語を道具として食っていこうとするなら、きっとこれくらい切れる、 いや引き裂く威力を持つ爪にまで磨きあげる必要が、人によってはきっとある。 読みながら笑い出さずにはいられなくなるのは、中津さんの文才。あきずに読み通せるエッセイ。 英語に真剣に取り組む方なら、きっと何かを得られる名著。私は英語を話す機会など全然ありません。趣味で英語をやってます。 そんな私が、少しでもうまくなれればと思ってこの本を読みました。 結果、何の役にも立ちませんでした。 『目にあまる英語バカ』の著者勢古浩爾... | ||